鳥類が好きな私は、小学校の頃鳥小屋の管理を任される飼育委員をしていた。“潔癖アライグマ人間”が居たりする関係上、自宅で飼えるのは昆虫やメダカ止まりであったので、動物好きの私には願ってもない役回りである。そこには文鳥、セキセイインコそしてウズラらが計20羽程居た。インコは喧しいが妙な行動をしたりしておもしろい。文鳥は鳴き声も良くきれいでかわいい。そして下に目線を移すと、ニワトリの様なキジの様な何とも地味な鳥が居る。これが後にマイナースピリットをくすぐる事になるウズラたちであった。
飼育委員は1年か2年ほど務めたが、その間野犬や不審者の襲撃によって鳥達の数は激減してしまった。一度は学校側からの補充があり委員自らもなけなしの小遣いを持ち寄って小屋の繁栄を計ったが、最後の半年ぐらいは文鳥(おそらくオス)とウズラの雌それぞれ1羽ずつという寂しい状況になった。この2羽は異種にも関わらず仲が良かった。特に文鳥はウズラの背中に乗っかって移動するのがお気に入りの様であった。文鳥は乗っかってちょっかいを出すわけでもなくじっとしている。ウズラも嫌がりはしない。何とも忘れがたいユーモラスな光景である。
このウズラには公園からミミズやハサミムシを持ってきて良く与えたものだ。狂喜乱舞して食べてくれるのでこちらとしても見ていて実に楽しいのである。目の前で卵を産んだこともあった。かれこれ10年以上前になるから、もう両者とも生きては居ないだろうな・・・。
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そして新世紀最初の年に彼女らに再会した。新居の近くのDIYショップのペットコーナーにウズラが売っていたのである。しかも地味なためか売っている小鳥の中で一番安い!かくして我が家にウズラがやってくることとなった。