MTB愛車&パーツインプレッション
歴代愛車データ、使用部品の覚え書き


2002 MANITOU BLACK ELITE AIR

マニトウブラックエリートエアー

80mmストローク(固定)、肩下450mm
ブラックorキャンディーブルー
V台座あり/なし

エアースプリング調整、リバウンド調整、コンプレッション調整
1495g
(コラム185mm)
\77,700

総合評価
4 of 5
コストパフォーマンス
3 of 5




優れている点
  重量
ルックス
剛性(特にねじれ)・耐久性
スムースな作動
エアによる広範囲なセッティング
短ストローク・短肩下



劣っている点
  ポストマウント穴のバグ
Vブレーキのたわみ(リバースアーチ)



性能等が類似している製品
  MANITOU BLACK ELITE 80/100 100/120
ROCKSHOX PSYLO RACE
FOXFORK F80RLC



レビュー
  2003年10月

エアスプリング(+コイルアシスト)であ るが、ダンピングが効いたスムースな動作は一連のブラックシリーズと同等。剛性も同じく十分。リバースアーチにより特にねじれ剛性が高いがその裏目でVブ レーキのたわみは多い方。ポストマウント台座と相まって、ディスクブレーキが安定動作。ストロークは短めの80mm固定で内部もシンプル化されており耐久 性向上に貢献している。マニトウお得意のインナーチューブ内部にオイルが隔離されるセミ カートリッジタイプでメンテナンス性に優れる。マニトウのフロントサスペンションは爪先のオフセットが多いため全体的に肩下が短めなモノが多いが本器は 450mmと最高に短くクイックなハンドリングに貢献する。

コイルスプリングモデルとはインナーとスプリングの長さが違うだけで、ルックス・パーツとも酷 似。それだけで400g以上の軽量化は優秀である。一連の同 年式同シリーズと同様各種調整ダイヤル及びコンプレッションユニット、左メインロッド等は樹脂製で軽量化されてる。アシストスプリングが折れても直結され ているメインロッドはビクともしないところを見ると、素材の選択は正解だったようだ。調整はコンプレッション・リバウンド・エアー。プリロードダイヤルは ないが、その分エアーにより幅広くプリロード設定(兼 堅さ)が可能。

唯一の欠点は、ポストマウント台座のバグで、ボルト穴がセンターに寄りすぎているため、付属の スペーサーをハブとローターの間に噛まさねばならない点。ホ イールかサスを替えたらまた設定しなければならないのは面倒。完成車向け出荷分のみ問題は解消されている模様。2万数千円UPが400gの軽量化に見合う かどうかは人それぞれである。

2003年はラインナップから消えた。しかし、ネットの取説にはモデル名が明記されており、そ の辺の事情は謎。ジャンプのできる剛性と動きをもち、エア式 短ストロークで軽量という理想的な貴重モデルであっただけに残念。


2005年5月追記

以下はこの製品を2年使用しストリートライドに於いて判明した数少ないウイークポイントであ る。

1.TPCコンプレッションユニットの強度
2.アシストコイルスプリングの耐久性

「1.」はオール樹脂製なので折れることがある。スモールパーツのTPCロックアウトタイプ (金属製)に変えればまったく問題がなくなる。「2.」は細身 の小型スプリングであるためたとえば毎週末ガンガン攻める人だと半年に一度位のペースで折れる。A&Fからだと\1,050で取り寄せられる(現 在は他年式他モデル用の代替品となる模様)ので4〜5本持っておけばサスの寿命まで使える。

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MTBでアクションライドをするにあたって、フロントサスペンションは2年持てば御の字である と感じる。その2年を無事経過したこの製品は、上述の弱点を 除けば実に素晴らしいサスペンションといえる。自分が安心してMTBでアクションライドできるのもこの製品によるところが大きい。オイルやエア周りのトラ ブル、基本構造の強度不足などは皆無。確かにジャンプ系の激重サスに比べれば安定感や剛性感は落ちるが、1500gの軽さでこの内容は考える度に驚きであ る。30mmインナーパイプ&9mmアクスルのフリーライド向けサスとしては性能・ 強度に加え、耐久性をも兼ね備える傑作=「マニトウが生んだ奇跡の子」とい えようか。レアで安価な実 入手価格からすればCP比&総合評価は文句ナシの5。

尚、2004年からは「BLACK Super SPV 80mm」という名前でリメイクされている。USAから台湾メイドになり細部も変更されている。吉と出るか凶と出るか。すでに04版を確保してあ るので試したいのだが本器がなかなか壊れないので試せない。